長澤農園は、太秦において代々農業を営んできており、現在17代目にあたります。 2001年4月に有機JAS規格が施行されると、太秦で最初のJAS認定を受けた農家となりました。しかし、京都では有機栽培は盛んではなく、今でもごく一部の農家で実施されている程度です。日本農林規格(有機JAS規格、2001年4月1日施行)設定の生産者は限られており、太秦では現在長澤農園1軒です。その要因としては、事務量の多さ、栽培記録と出荷記録の記帳にあると考えられます。更に、制度の信頼を保つためには必要なことではあるのですが、一人の生産者が有機農産物と非有機農産物を生産する場合、その区分を厳格にしなければならないのが大変です。 写真は、賀茂茄子の第一人者の池西さんと 太秦の有機農園の長澤さん | | 賀茂茄子は、まんまるな形が印象的な大ぶりのなすで、水の豊富な上賀茂一帯でのみ大切に栽培されて、肉質がよくしまり、煮たり焼いたりしても崩れにくいのが特徴(写真上)。現在高漁丸では、ユーモラスなひょうたん型が特徴的な鹿々谷南瓜をディスプレイしています。江戸時代に東北から持ち帰られた、菊かぼちゃの突然変異だといわれています。成人病予防に効果のあるリノレン酸が豊富に含まれていて、味そのものはごく淡白です。 京野菜の魅力は味のよい野菜がはぐくまれてきました。季節感も大きな魅力の一つです。通年で手に入りやすい一般の野菜にくらべ、京野菜にはまだまだ季節限定のものが多く残っていて、夏のみずみずしい賀茂なす、冬にはとろけるような口あたりの聖護院大根等、その時期ならではの野菜を味わうことで、季節の訪れを感じさせてくれます。作り手の気持ちがこめられた京野菜は、どれをとっても美味です。 |